「なに?」

くるりとユマが振り返る。
その瞬間、言葉が凍った。

――過去に戻ったからって、うまくいく保証なんてねーんじゃん?

そのことに今更オレは気づき――そして、なにも言えなくなった。

「トキオ、やっぱヤバいよ。マジで帰った方がいいって。
――あ、そだ」

ついでのようにユマが言う。

「あたし、転校するんだって」

「へー」

なんとか相槌を打つのが精一杯だった。

「じゃ、引っ越しの準備あるから帰るね」

「おー」

教室を出て行くユマを、手を振って見送った。

「――なにやってんだ、オレ」

せっかく与えられたチャンスを、あっさりとふいにして。

「……カッコ悪すぎ」

うなだれたオレを、まばゆい光が飲み込んでいった。

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